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それ以来、月は老夫婦の下で暮らした。月はよく働きまるで本当の娘のように暮らしていた。
そんな毎日が続くわけでもなく、老人が床に伏せた。
身体が思うように動かずまともに畑仕事に勤しめなくなっていった。
とうとう寝たきりの生活になってしまった、月は老人の分まで働いた。
月は人形のように生首を抱えては老人の傍に寄りそった。
「おじいさん・・・もしもね、もしも願いが叶うとしたら・・・どんなお願いをする?」
唐突に月は口にした、生首を撫でて老人の顔を覗き込む。空ろな目で老人は言った。
「叶うならな・・・もう一度身体が動くようになって、お前と婆さんと畑仕事をしたいよ。」
そう呟くと月が突然生首の眼窩に手を突っ込んだ。グジュ・・・グジュと嫌な音を立て指を引っこ抜いた。
血に汚れた指から小さな赤い種を月は老人の手に握らせた。
そしてこうも言った
「この種にそのお願いを毎日欠かさずに願ってね、そうすればきっと願いが叶うわ―叶えば―・・・ずっと・・・っしょ・・・わた・・・・いとし―ヒト」
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