記憶

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あたしはこの状況から早く抜け出したかった。 吉井くん、8歳じゃ結婚は出来ないの─── こういえば諦めてくれるかもしれない。 そのとき、職員会議での教頭の言葉が頭をよぎった─── ″最近の親御さんたちは特に子供に関して敏感です 教育委員会に訴えられるなんてことがないように 問題事はくれぐれも穏便に いいですね?″ きょ、教育委員会… まだ寒いというのに顔から冷や汗が流れた。 あたしは 覚悟を決めて言った。 「じゃあ 10年たって 吉井くんが18歳になったら──」
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