記憶

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あたし達は鍵を閉めるため、話しながら教室へと歩いていた。 「だってさ かっこいいじゃん、吉井くん。 私好きだなー」 か、かっこいい? …考えたこともなかった だってまだ7、8歳の子供でしょ? 確かに他の子に比べたら少し大人っぽく見えるけど。 あたしがしばらく黙っていると、里乃はあわててつけ足した。 「えっ、ちょっと美咲 なによ黙っちゃって ちがうわよ! 小学生に手は出さないわよ」 「……ふ あっははははっ」 必死でそう言った里乃は本当に面白くて、教室に着くまでずっと笑っていた。
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