――第一章――

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「興味ないです」 麗は一言発せばスタスタと二人を横切ろうとしたが、原田と藤堂は横目で無言の圧力を麗にかけた。 ゙行くんだよ…お前も…″ 二人はニヤリと笑えば麗の両腕を掴み、門へと駆け出した。 興味ないって…… 麗を無理やり座らせれる二人は、一番に麗、二番目に藤堂、そして原田と団子のように顔だけ門から覗かせた。 …なんで私達、コソコソしてるの… 沖田とお菊は試衛館を出てすぐの所にいたが、静かな雰囲気が二人を包んでいた。 「お気持ちはとても嬉しいですが……私は今、修行の身ですからそう言う関係になる気は誰ともありません。すみません」 沖田が発した言葉に、お菊は泣き出してしまった。 「あの……」 慌てる沖田は、頭を掻いたりと言葉をかけることに戸惑っていたが、お菊は何も言わず、その場から離れていった。 ゙本当のことを言っただけなんですけど……″ 沖田は首をヒネりながら門をくぐったが、隠れる三人を見下ろした。 「さっきからずっといたでしょ」 原田や藤堂は悪ガキのように笑いだしたが麗は一人、道場の方へと歩きだした。 修行の身って…真面目だけど、だったら床掃除をしろ… 沖田は横目で麗の背中を見ていたが、その素振りに二人はニヤリと笑った。 「お菊ちゃんをふるなんてお前、馬鹿だな、気立てもいい…それに付け加えてあんな可愛い子は中々いねぇぞ??」 「修行の身ってお前師範代だろ、あーあ……総司は早く言わないと…誰かさんに…」 言いたい放題の二人は、顔を見合わせれば道場に戻っていったが、沖田はまたもや首をヒネらせた。 「誰に言うんですか」
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