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そんな土方さんの邪魔をしないよう、うちは膝に頭を乗せたまま、そっと目を閉じた。
寝ちゃったら勿体ないんだけど…
こうやって二人でのんびり過ごす事…
誰にも邪魔されず、ゆっくりと時が過ぎる事…
この状況が心地良い…。
「…ん…土方…さん…?」
土方さんの手が、額から頬へと移っていく。
うちは、うっすらと目を開けた。
「………」
土方さんは、少々ムスッとしたような表情を浮かべている。
…あ、そっか……
「…ト…シ…?」
少し抵抗あるけど、敢えて『さん』付け無しで呼んでみた。
トシさんの表情がほころび、再びうちの頬を撫でる。
「…く、くすぐったい…です…//」
うちは逃れようと、首をすくめる。
が、つつー…と顎のラインをなぞられ、顔を元に戻されてしまった。
「…可愛過ぎんだろ…」
パタンと本を閉じ、熱を帯びた瞳で見つめられ…
そのまま、トシさんの顔が降りてくる。
「…ん……」
…トシ…さ……
「ゆゥウーみィイイー!!」
「!!//」「!」
自分を呼ぶ大声と、ドタドタとこちらに走ってくる音が聞こえてきた。
慌てて上半身を起こすのと同時に、障子がスパーン!と開く。
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