江戸へ

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―――――… 一月十日。うちら新撰組は兵庫港で二手に分かれた。 手はず通り、健全者は順動丸、怪我人・看病人は富士山丸に乗る。 ちなみに土方さんは富士山丸に乗り、順動丸側の隊士の指揮を永倉さんに任せた。 うち自身はというと、なんとか自力で歩けるまで回復していた(流石におんぶは恥かしいし嫌だしね)。 その日の晩だった。 山崎さんの容態が急変したのは…。 うちは土方さんや沖田さん、近藤さんと一緒の部屋に居た。 大丈夫なのは足だけで、背中や腕はまだ大事を取るようにと言われていたからだ。 その部屋に、山崎さんを看病していたはずの鉄ちゃんが飛び込んできた。 「姐さん!!山崎助勤が…山崎助勤が姐さんを呼んでます!!」 「!!」 …嫌な汗が背中を伝い、背中が染みるのを感じた…。
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