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夏に大切な犬が死んでいた。
花もあげれずに、ただ埋まっていくのを眺めていた。
『嫌なヤツ』
なんとなく、自分の事を言うなら、そんな感じな気がした。
何もかもが信じられなかった。゛信じる゛って、大切なのかも考える気が失せてしまっていた。
去年はまだ、学生で社会人になるのがこんなに自分の何もかもが消えるなんて思いもしなかった。
夢は力づくでも取り戻せて、カッコイイ奴に本気でなれる!…とか、普通の奴になんか出来ないカッコイイ人生を歩んでやる!…とか思えていたんだ。
友達と「あの頃に…」って、暗い自分が自分の作りたくも無い、武勇伝で埋め尽されていった。
作る励ましの歌はいつしか泣きたくなる空のようで、いつしか夜闇の湖周りの散歩は死に急ぐ人扱い。
笑えない嘘の冗談を言う奴らを心の中で
『いつかは見てろよ!!』
が、
「いつになるの…」
って、弱気なヤツになっていくので、落ち着く泣きたくなる空も歌も見えない場所へ置いて行った。
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