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「そーいや名前、思い出したか?」
指示が終わった将さんは俺の横へやって来た。
名前……そういえば…
「…いえ」
「そーか…なんかこんな感じかなってのはないのか?
どーも名前がなかったら呼びづらくてな」
「名前…名前…。
…ロ…ト…ヒロト…」
思い出そうと口の中でぶつぶつと呟いていたとき…フッと頭を過ぎったのがその名前だった。
「ヒロト?
そーかそーかヒロトってん…ッ!!
止まれ、ヒロト」
将さんは俺のきっと本名じゃないだろう名前を聞いて笑顔でその名前を復唱したかと思うと、急に足を止め、俺を庇うように前へ出た。
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