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…あれが…影?
確かに影を囲む男達よりも気配は薄い…少しでも目を離すと見失ってしまうのではないかと思うくらい…
…でも…どう見ても自分達と同じ“人”だ。
そういう思いが頭を巡っていたその刹那―
「ぎゃぁぁぁ…」
男の断末魔が響いた。
その声でハッと我に返った。
そして目の前で繰り広げられる光景に息を呑んだ。
影が動き、刹那のうちに一番近くにいた男へ刃物が振り下ろされていた。
男は苦痛の悲鳴を上げ……粒子となり…影へ吸収された…
…まるでファンタジーの世界へ迷い込んだのではないかと思った。
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