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「何でこんなところに!?」
「だーかーら、言いにくいことなんだって。」
ゴクン、唾を飲み込む。
ヒトの前でいえない仕事!?
「俺の仮の彼女になってほしい。」
「はい!?
仮カノ!?」
仮彼女、略して仮カノ。
「なんで、人前で言えないのよ。」
「そんなの、俺の周りにくっついてる女子達が
『私がやるー。』とか言うに決まってんだろ?」
うん――、なるほど。
って、納得してる場合じゃない!
「そんな…、仮カノなら他にやりたいこいっぱいいるんじゃないの?」
じっと見つめて話した。
どう答える!?
その時だった。
ガシャン!
もたれかかっていたフェンスが、揺れた。
司原が私の肩の近くに手を置いたからだ。
「そんなの決まってんだろ。」
――…。
「お前が好きなんだよ。」
なーんて、恋愛漫画みたいにいっちゃいます――!?
私の頭のなかで天使が踊り始めた。
ヒャッホーイ!
だめだ…。
壊れてる。
これ、期待しちゃってOKパティーン?
あ、パティーンって言うのは
パターンのことね!
自分がよくわからない。
こんな壊れてるのに、パティーンの解説だけはできるなんて…。
じっと私を見つめていた綺麗なお顔の司原が口を開いた。
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