105号室 リサの場合

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目が覚めても何も見えなかったのは、私が目隠しをしているからで。 光の無い世界で、僅かな聴覚さえも真夏のセミの鳴き声で頼りにならない。 ついでに猿ぐつわまで噛まされていて、声にならない声が漏れる。 手足も縛られて、鉄筋コンクリートのひんやりとした地面に横たわっていた。 全身が冷たいのは、私が一糸纏わない姿だからだ。
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