105号室 リサの場合

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――――………… 一体どれだけの時間が過ぎたのだろう。 ずっと暗いままだから、自分が寝ていたことすら気付かなかった。 いつの間にか蝉の鳴き声が小さくなり、私は小さな変化を感じた。 さっきまで五月蝿かったから分からなかったが、それは確かにさっきにはは無い音であった。 シャッ、シャッ、シャカシャカ… 私はこの音を聴いたことがある。 そう、例えば、テスト中の静かな教室に響く…… 鉛筆と、紙の、擦れる音。
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