第0章

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唯斗の笑顔に見とれていた美月を心配して、唯斗に顔をのぞかれながら、声をかけられ、我にかえった 美月は恥ずかしくて、パッと顔を逸らした 「…?うん。ちょっと美月に話したい事あって、さ」 唯斗はそんな美月を一度首を傾げるが、気にすることなくそう言って真剣な顔をした ───ドキッ 「う、うん。なに?」 美月はときめいてしまい、期待してしまう。 (ああもう、真剣な顔をするから……!ま、まさか告白とか…? そうだよ、真剣な顔してるもん。そうだったらどうしよう!きゃー!) 「あのな……」 「う、うん。」 心の中で少しテンションをあげてしまった美月はごくっと唾を飲み、ドキドキしながら 次の言葉に期待して待っていたが、その期待は裏切られたのだった 「俺、実は妖怪なんだよね」 「………はい…?」 予想外の言葉を言われ、呆然と間抜けな声を出してしまう 「ゆ、唯斗……な、何言ってるの……?妖怪なんて、からかわ…!」 「からかってない。美月に嘘はつかないよ。一度もついたことないでしょ?」 つい怒ってしまい、ぶつけようとした美月だったが、唯斗の目が嘘ついてないのだとわかったのだ 言葉を遮られ、唯斗は困ったような表情でそう言った 「っ、本当…なの?」 「(小さいときからずっと一緒だったじゃない…)」 「うん。」 「…なら、正体見せてよ。何の妖怪なのよ」 唯斗の真剣な顔と目を見て、嘘ではないことに分かったけれど それでも、信じられなくてそう言った。 「あー…良いけど、引かないで?」 そう言って、立ち上がる そして、唯斗は目をつぶり 何かを唱え、体が光り始めたのだ 「まぶっ…!?」 美月は突然のまぶしさに 腕で目を隠した そして、唱えていたあの言葉が止んだ 「……ゆい…」 「美月。目を開けて」 何も聞こえなくなり、呼ぼうとしたら、唯斗から声が聞こえ、目を開けたら そこには 「なっ…!!」 黒い翼が生えていて、見たこともない黒い服を着てる唯斗がいた。 「これが俺の…正体。」 「ゆ、ゆいと…だよね?」 そう聞いてしまうが そこには紛れも無く、唯斗だった。 ただ違うのは黒い羽があるのと服が黒ぐらいだが 「うん。…やっぱり引いた…?」 困ったような表情をして そう聞いてきた。 美月は……
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