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あの日は確か暑かった。
委員会で疲れて、教室に戻ったら裕也くんが居た。
私は裕也くんのように、真っ直ぐに好きだなんて言えない。
嫌い、だなんて言われたらどうして良いか分からない。
どうして。
どうして裕也くんは愛美じゃなくて私が好きなの?
私は愛美に好きだなんて言えないから、
だったら裕也くんと愛美がやり直してくれたら良いって、何回も願った。
愛美が幸せならそれでいい。
それなのに。
愛美の笑顔を奪う理由が、自分だなんて思わなかった。
私は裕也くんより先に走って教室を出た。
堪えきれない涙を、裕也くんには見られたくなかったから。
視界はボヤけていたけど、ただ、走った。
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