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その日は確か暑かった。
放課後の教室で、松浦の委員会が終わるのを待ち伏せして、やっと想いを告げた日。
好きで。好きで。好きで。
うまい言葉なんか浮かばなくて、気のきいた言葉なんか言えなくて、
必死になって告げた…のに。
別れた元彼女の名前をだされて、正直泣きたくなった。
あの日、俺はどうやって帰ったか覚えてないけど、
視界が少しだけボヤけたのは覚えてる。
夕暮れの教室で、
本当に泣きたかったのは、
俺じゃなくて松浦だったのに。
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