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そう、私は…私たちは教会の真ん中にいた。
何故か宣誓をしていて、隣にはあの男。
(じょーだんじゃないわよ!)
助けを求めて横目で私の家族を捜すと、すぐに見つかったが目をそらされた。
おっおとぉおおおさんんん娘のピンチなんですけどぉおおおおお!!!!
母と伯父さんは手を振っている。
「諦めろ」
「ちょ、え、何「王子殿下、この度は誠におめでとうございます。」
先ほどまで祝詞を唱えていた神父さまは、隣の男、基い旦那?に恭しく頭を下げた。
それに習い参列していた皆皆さまがおめでとうございますと声をあげる。
男に促されるままに、参列者の方に向き直り笑顔を振りまく。
「あぁ、感謝する」
「かっ感謝します」
訳が分からないまま事は進んでいく。
引きつった笑みを浮かべながら男の隣に立っていると、私の不自然さが目に着いたらしい。
腕をとり自分と向かい合わせにさせると、
「諦めろ」
――チュッ
偉そうに先ほどの言葉を繰り返し、爆弾を投下した。
この時、私は本気でこの男から逃げられないことを悟ったのだ。
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