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私の反応に気を良くしたのか、王子様は胸元に私を引きよせる。
そして拒否権はないと耳元で告げ、強引に手を引く。
進む先は言わずもがな、王子夫婦の寝室だった。
ベッドの傍らまで辿り着くと、成すがまま押し倒される。
私、本気で貞操の危機!?
「ちょっまっだ誰か助けろぉおおお!!!!!」
「今夜は人払いしてあるから諦めろ」
「大体虫よけならここまでしなくてもいいじゃない!!」
「俺だって女は選ぶぞ?着飾る女より俺の前でも飾らぬお前が良い、レンカ」
――サラッ
優しく髪を梳かれ、そのまま頬を撫でられる。
初めて名前を呼ばれたことで、私は今極度に緊張している。
さらに、殺し文句も言われてしまえば最早何も言えない。
私が照れると分かってて言っているから、余計性質が悪い。
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