ご家族対面!

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また、妃となったことで、一つの部屋を賜った。 その部屋の名前が「菖蒲の間」であることにちなんで、「菖蒲のお妃、菖蒲の君」などと呼ばれるようになった。 困惑している私に対し侍女さんたちは、 「殿下のご寵愛を一身に受けておられて羨ましいですわ」 とにっこり微笑まれて返された。 生温い視線がそこ彼処から向けられて痛い。 え、あの、正直いらん…です。 部屋の名前を取って呼ぶのは、王族の慣習らしい。 ちなみに現在の王妃様の別名は「凰妃」である。 この国の象徴である、鳳凰の鳳が王を指し、その番いである凰が王妃となる。 でも皆さん王妃様と呼ぶから、そんなに気にしていないとのことだ。 (でも私は家に帰りたいわ…) そんなことを言えるはずもなく、本日もぶらぶら城内を散歩する。 最近の私の日課であり、唯一護衛もいなくて気が抜ける瞬間である。
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