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彼の名前は、ランシール=ヒュールング。
私の護衛騎士のシリンの兄で、王子の側近である。
あの時なぜ私の近くにいたのか不思議だが、きっと王子が彼に頼んだのだろう。
シリンはこの時間いつも騎士団の方で用事があるためだ。
自分の護衛を私に充てるなんて、よっぽど警備が万全なのだろう。
「さあ王子殿下が皆様をお待ちですから、白菊の間までいらっしゃってください。」
「もちろんですわ!参りましょう皆さん!!」
「ええ、お早く参りましょう」
ご令嬢の集団はあっという間に引き上げていった。
毎度のことながら、この豹変ぶりには感心してしまう。
「菖蒲の君、大丈夫ですか?」
「お陰さまで!助け舟を出していただき感謝いたします。」
「いえいえ、シリンがではらっている時を狙ってのようですからねー。」
(本当にね)
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