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「お兄様!レンカ様は殿下のお妃様よ!」
「勿論分かっているよ、でもお褒めの言葉を頂いたんだ。光栄じゃあないか」
「……!…!!!…」
「…!……!!……!!!」
兄弟喧嘩真っ最中の二人の姿さえ美しいと思うのは、末期でしょうか。
何にせよ、この兄弟の気さくさに助けられている。
その二人には仲良くいてほしいので、そろそろ止めなければならない。
私は二人の間に入ろうと一歩を踏み出した…はずだった。
後ろから強く体ごと引かれて、身動きが取れなくなったのだ。
「案ずるな、もうすぐ終わる」
「お…おーじでんか」
「リュートだと言ったのを忘れたのか?この頭は飾りかアホ」
「煩いわー!何でここにいるんですか!ご令嬢方はどうしちゃったんです!?」
「帰したけど」
(そーかよっ!)
毎度のことながら、少し殺意が芽生えた。
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