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「いやぁしかし、御中くんが屋上以外で女子と一緒にいるの初めて見たわっ」
と、興奮気味の優花。
教室に入った私は自分の席で呆然としていた。
そこへ やはりあのバカが駆け込んで来た。
「あっ、章吾聞いた?なずな……」
「日和と一緒に戻って来たって?」
章吾の言葉が優花の話を遮る。
私はただ頷いた。
「何で?」
それはこっちが聞きたいくらいだ。
「あいつは誰にも興味ないんだろ?そうだろ?」
「アンタ何ムキになってるのよ!なずなはアンタじゃない方の御中くんと付き合ってるの!もう諦めな!!」
優花はそう言って章吾の背中をバシバシと叩いた。
「納得いくかよ!なずなを好きなのは俺だろ?日和じゃない!」
そんなこと私が知るかっ。
てか、またそんな大声でやめてくれるかな……ムチャクチャな告白。
「御中!お前B組だろ、早く戻れ!」
昼休みが終わり 数学教師の岩崎が入って来た。
「ほらっ、みんなも座れ~っ」
先生の怒鳴り声で ようやく教室が静かになった。
章吾もすごすごと自分の教室へ帰って行った。
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