出会い

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【ユカ】とは毎日毎日 本当に他愛もないメールをした。 おはよー、とか 音楽の話にテレビの話 驚くことに 死ぬことのメールなんかしたことがない。 やっぱり死にたくないのか…なんてたまに思う。 時折、暗い話になっても、次の日には普通になる。 それがいつもだった。 そんな毎日を過ごし、俺は“あの”サイトすらすっかり忘れていた。 朝起きれば【ユカ】 それしか思い浮かばない。 長いこと恋愛もしてなかった。 こんな感覚も。。。。いや、これは違う。 ただのメールじゃないか。アホか。 そんな折、【ユカ】から「会いたい」というメールが来た。 突然の誘い。驚いた。 (まさか??) 当然パソコンの前で顔を赤らめる俺。 バカか。 出逢い厨じゃあるまいし。 若干反射するディスプレイに俺の顔が映る。 うわ…。 きたねぇ。 自分の顔に不快感を新たにしつつも 「ブサイクだよ?」 「そんなの関係ないよ!」 「でも…女子って慣れてなくて」 「うん…」 「あ、会いたくないわけじゃないよ?」 「…でもイヤなの?」 「わかった!わかったよ!いつにする?」 こんなメール。 最悪だ。 妥協しちまった… 「明後日の水曜日!」 「わかったッ!」 あーあ。 ついに…決めちまったよ。 洗面所に足を運ぶ。おもむろに。 汚い。顔が。 いや、髪か?髪型? 「髪くらい切るか…」 なんでだろう 気持ち部屋が暖かく感じる。 意味わかんねー。 なんて呟きながらも。 その暖かさに駆られ、俺は久々に外に出た。?
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