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それからは
なにをしてもドキドキの連発。
むろん。俺は今日死んでもいいくらい楽しい。
だけど、彼女はこんなデートでおもしろいのだろうか?
聞くのはご法度。
そうネットで散々叩き込まれた。
ともあれ、俺は女子にも免疫がないし、初対面でどうこうできるわけなどなかった。俺だって男だが、所詮オタニート。
そのあと、俺らはご飯を食べて、その場を後にした。
少し別れが惜しかったが楽しかった。
彼女が最後に言った
「またね!!」
あの言葉が布団の中に入っても離れない。
ずっと頭を駆け巡る。
またね
か。
一瞬心拍数が上がるのがわかる。
すっかり暗くなってしまった外を見ながらふけっていたが、あることを思い出した。
「あ、そうだ。」
ケータイをとりだす。
なんたってデートしたわけだし、メールくらいしなきゃな。
メール画面を開くと
ヴーヴー
「ん??」
ケータイが震える。
メールの着信。
ユキだ。
『今日はウサギありがとね!!楽しかった★また遊ぼ♪』
無意識にグッ!っと拳に力が入る。
そうか。ああ、わかった。
俺は"ユキ"が好きなんだ。
"ユキ"はどうなんだろう・・・。
もし同じ思いなら・・・。
そう思いながらメールを返す。
『俺も楽しかった!また遊ぼうな。』
・・・うん。
これが俺の限界。
新記録なくらいだ。
『好き』
たった一秒で打てる言葉が俺には打てない。
こんなに深い言葉なのか・・・
(クサッ…)
って思いながらも、改めて自分がチキンだと実感する。
自殺サイトで知り合った子に恋をして?
しかもその子には素直になれず?
笑っちゃうよな。
んでも、ま、なんとか今日を終えたし、一応完了ってことで
風呂にも入り、飯を食い。
パソコンも消して布団もぐった。
テンションが下がらないまま俺はいつの間にか眠りについていた。
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