傍観

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いつ寝ただろうか、少しの頭痛と気怠い体。 いつもとなんら変わらぬ 堕落した生活。 俺はあのサイトの自殺志願者たちに少し親近感・・・それに、ただならぬ関心を抱いていた。 時計を見ると11:30 もう昼か・・・ とりあえずパソコンに向かい"あの"サイトを見てみる。 動画は更新されていなかったが、掲示板で新たな書き込みがあった。 きてるきてる。顔がニヤニヤしちまう。 まず、俺への返信。 『お前はなにもわかっちゃいない【BE】』 笑わせんな 『低俗人間が!てめえは社会のクズ!ゴミだ!【MASA】』 荒れる。荒れる。 まさに自分が神かのような上から目線。 こういうやつがいるから、書き込みがやめられない。 だけど、とりあえず、無視。 今日の書き込みまで、スクロールする。 あった。 『今日、自殺決行します。部屋で首吊りします。【ケイタ】』 というものだった。 これか、これが予告か。 俺にはすでに焦りなどはなく、ただの自殺傍観者となっていた。 すこしスクロールすると 『おめでとう!やっぱり【リョウ】とかいうやつと違っわかってるね!【MASA】』 『お前なら出来ると思っていた。がんばれ!!【BE】』 『ためらうなよ!俺らは君を見ている。自分を解放しろ。【ガクヤ】』 などなど、相変わらずのメンツ+αの書き込みの数々。 こいつら うらやましがるなら、自殺すりゃいいのに・・・。 どうもここがひっかかる。なんだろう。 俺を襲う違和感。 なにかを忘れているような、あの違和感。 俺は大事なことを見逃していないか??
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