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「……? じゃ答え合わせするよ?」
二人が噴き出した理由が全く分かってないピンクは小首を傾げたが、すぐに二人を見較べて正解を発表する。
「あたしが二人に送ったのは『ニワトリとタマゴどっちが先?』でした~」
なんとも哲学的である。
実際どっちが先だろうか、いわゆる水掛け論というやつで答えは恐らく永遠に謎だ。
だが、発表された答えにブルーもブラックも同意しなかった。
「あれ? ちゃんと伝わってなかった?」
「そんなこと送ったのか。……全然違うことが届いたんだが」
「え!? どう伝わったの?」
ブラックの解答。
「……お芋っ!?」
彼は補足する。
その声は旅行先に自宅の鍵を置き忘れたことに気づいた時のような悲痛な叫びであった、と。
「ブッ!!」
思わずブルーが噴き出した。
ということはブルーには全く別のメッセージが届いたのだろう。
「なんで……お芋!」
「わからん。でもそう聞こえたし」
腑に落ちない様子のピンク。
とりあえずブラックにはちゃんと伝わってなかったようだ。
「私には全く別のメッセージが届いた」
言われて二人がブルーの方を見た。
「昔々、あるところにおじいさんが住んでいました。おじいさんは海へサーフィンに行きました。かの有名な波乗り与作です。与作はビッグウェーブに乗ってそのまま空へと飛び立っていきました。そして与作は星になりました。それが今でも夏の夜、南西の空に輝くじじい座です」
ブルー曰く、その情報はメモでも見せられたように一瞬で脳内に流れ込んできたらしい。
「ブッ! ……長っ!!」
「あははははは! じ、じじい座ってなに!?」
テレパシーを送った本人にも『じじい座』がなんなのかわかっていなかった。
ある意味ニワトリとタマゴより大きな謎が出現したようだ。
「うまくいかないにもほどがあるわね」
ため息混じりのピンク。
超能力を得たとはいえ、これほど役に立たないとかえって不要にも思えた。
「あとはオレの未来予測か。……一応やっとく?」
やる気ないブラックの声にブルーとピンクは力無く頷いた。
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