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「おい、わしの飲み物はどっちかね?」
変な格好した高齢者はみんなに聞いて
「いや、オレの真似したんだから……」
「……どっちも同じですよね」
「でもあえて選んでみるならこっち!」
まりやんが何かを基準に選んだほうを引き寄せる。
「ゴミレンジャー、だっけ? それって敵とかいるの?」
まりやんが少しワクワクしたような表情で老人に質問した。
彼女は頭の回転は早いほうだが少々子供っぽい一面も持っている。
それと手が出る速さの因果関係は立証されていないが。
「いる。ハイエナ団……この飲み物まずい」
答えながら一口飲み、じじいは顔をしかめた。よく考えもせず他人と同じものを注文すると往々にしてこういう結果になる。
「飲みかけでよかったらこのコーヒーと交換しましょうか?」
ペッパーズが老人に救いの手を差し延べる。
「ありがとうよ。君は本当にいい人だね」
ホットコーヒーとアイスカプチーノを交換してもらい、じじいは続きを喋る。
「ハイエナ団ってのは実は最近立ち上げられたばかりの新規の悪の組織でな……コレぬるい」
悪の組織が新規に立ち上げられるのをこの老人は黙って見ていたのだろうか?
そしてせっかくペッパーズが交換してくれたコーヒーに対しても文句言ってるあたり、この老人は偏屈である。
「ふーん。で、それに対抗して正義の組織を立ち上げるってわけね?」
「その通りじゃ」
話の流れは三人とも割と素直に受け入れることができた。なぜなら――
「要は普段やってることを過激にしたような感じになるってことか?」
蒼馬の言葉通りだからだった。
「ちょっと、藤原! あんたユーザーを悪の組織の手先呼ばわりすんの?」
「そうじゃなくて、起きた問題に対処するという活動そのものを指してるんですよ。ですよね?」
「そういうこと」
ペッパーズの説明に蒼馬は頷いた。
「うむ、ところでコーヒーぬるいからそれと交換してくれんかの?」
話の発端なじーちゃんはまりやんのオレンジジュースを指差して全然関係ないことを言っていた。
「やだ」
「うぐっ」
じーちゃんの精神に255のダメージ!
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