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なんにせよ、彼らは正義の味方として頑張ることになってしまった。
ネガティブ戦隊ゴミレンジャー。
名前の変更は出来ないらしい。
「ところで、そのゴミレンになるにはどうすればいいんですか?」
ペッパーズは既に略してゴミレンと言っていた。
急展開にしっかり順応している兆しだろうか?
「うむ。カードの銀色部分があるじゃろ? ハイエナ団がなにか悪さをした時、そこが金色に変化する。そしたら左手の甲に『自分の色の面』を当てるがよい」
「金色って……こんな感じ?」
まりやんがカードの表をじい様に見せた。
確かにさっきまで銀色だった部分が今は金色に輝いている。
それを見た高齢者の顔色が変わった。
「いかん! もう出てきおったか。ご近所の平和を守るため出動じゃ。最初の出動はわしも同行して指示をだす、急ぐんじゃ!」
言うや否やじい様は席を立ち、さっさと店の外に出てしまった。
三人はただ固まっている。
「これって、マジなの?」
「新手の詐欺かもしれんぞ」
「新興宗教だとしたらやっかいですね」
いまさら疑念を持ち出した三人であったが、まりやんとペッパーズの右隣の道路に面したガラスがコンコン、と叩かれた。
皆がそちらを向くと、何やら大袈裟なボヂィランゲージなじい様が口をパクパク動かしていた。
「逃げられないみたいですね」
仕方ないのですぐに会計を済ませ、三人はじい様の元に向かった。
ちなみに会計は全部蒼馬持ちである。
理由は遅刻したからだったにちがいない……多分。
三人がじい様と再び合流した時開口一番
「さぁ、早く変身しなそい」
人通りはそれほど多くはなかったが天下の往来でそれはまずいだろう、まりやんと蒼馬は思った。
シャキーン
一瞬の光と効果音。
振り向いたまりやんと蒼馬は自分たち同様、困り顔なペッパーズを見るハズだった。
だが、そこにいたのは
全体的に青いヒーロー。
目の部分が緩やかなV字のヘルメット。
胸に模られたGの文字は金色で、その中央には白いボーダー。
脇には白いジグザグ模様。
グローブとブーツも白いし、ベルトもそうだ。
そのベルト中央の銀枠バックルは、赤い風車が回転しそうである意味ヤバかった。
「ペ、ペパ……よね?」
恐る恐るまりやんが確認した。
青いヒーローは無言で頷く。
なんかちょっとカッコよかった。
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