序章 国王暗殺

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そこへ、大揮の威圧する様な低い声が話し掛ける。 大揮「お前ら、一体何者だ?何の目的があって攻めてきた?」 大揮の威圧に怯みながらも、兵士達は問いに答えず、武器を構えたままだ。 大揮「答えるつもりは無いみたいだな?」 低く冷たい声と身体中から溢れ出る膨大な殺気、口元に浮かべた薄ら笑い。 その姿はさながら、地獄へと導く死神の様だ。 大揮「そうか。なら………用は無いな。」 大揮は薄ら笑いが更に深まり、背筋が凍る様な笑みとなり、刀を振り上げ………。 大揮「消えな。」 「王子~!大揮王子~!御無事ですか~!」 広い室内に響き渡る大きく野太い声。 息を切らしながら、筋骨逞しい男が、階段から姿を現す。 「なっ!!」 男は室内に入ると、中の光景に驚き、固まる。 真っ赤な絨毯がさらなる深紅に染まり、白い壁にも血がこびりついていた。 それは………凄惨な光景だった。 地に転がり、冷たくなった死体の群れ。 その真ん中に静かに佇む一つの人影。 その人影がゆっくりと男の方に振り返る。 男は恐怖し、身震いする。 人影は振り返り、男の姿を確認すると、ニッコリと笑い……… 「何だ。まだ、敵がいたのかと思ったら武斗(タケト)か。ん?どうした?」 親しそうに言う大揮だが、固まっている男………武斗の様子がおかしい事に気付き、怪訝な顔して問いかける。
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