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そこから聞こえるのは「プーッ…プーッ…」という機械音だけで、何度かけても結果は同じであった。
仕事用の電話でかけてもなにも変わらない。
拒否されているというのがわからないはずはなく、連絡がつかなくなってしまった今、唯一の連絡手段の携帯電話がただの玩具に思えた。
頭を抱え少し落ち着いた頃、シャワーを浴びようと脱衣所へ向かうとサヤの私物であふれかえりにぎやかだった洗面台や物置が、殺風景なものに変わっていた。
このままどんどん他に部屋も殺風景なものへと変わっていくのだろうかと考えると心にぽっかり穴が開いたようであった。
この時初めて涙が流れそうになった。
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