-side サヤ-

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仕事を終え、帰り道近所のスーパーでいつものように買い物をして帰宅。 11月ともなると日が落ちるのが急激に早くなる。 冷え性の私はコートが手放せない。 家に到着するなりコートをクローゼットへとしまい、座ることもせずすぐさま夕食の準備に取り掛かる。 一度腰を下ろしてしまうと中々腰が上がらなくなるからだ。 昨日一緒に深夜番組を見ていてヒロトがポツリと呟いた。 「唐揚げうまそう。」 その言葉を聞き逃すはずは無く、明日は唐揚げを作ろうと決めていた。 料理をしている時にヒロトの顔が思い浮かばないことは無い。 その日もヒロトの顔を思い浮かべながら晩御飯の支度に励んだ。 もうそろそろ帰ってくるであろう時間に、唐揚げを揚げてすぐに夕食にありつける準備をする。 浴槽にお湯を張り、これでやっと私の休憩時間となる。
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