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ついに七海も現実逃避し始めたか
とりあえず暴れだした七海をたしなめ、話しの続きを聞く
すると女性は怪しげに笑いだし語り出す。
「ふっふっふ、私は知っていますよ?私がマスターの家に初めて来たのが五年前の七月某日、私は某デパートの寝具コーナーで売られていました。しかし私はいっこうに売れず、姉妹達だけが次々に買われていき、私はもう誰の手にも渡らないまま処分されるのだなと思っていました――」
「どうするのよ、彼女何か語り出しちゃったじゃない!」
「とりあえず落ち着け、しかし…俺があの枕を買った日と彼女の言ってる日が同じなんだよな」
「店の記録でも調べたんじゃないの?悠陽の家に忍び込んで、バレた時のためにさ」
「いや、それはないだろう、だってあの家具屋はあの後すぐ潰れて、別の店ができたんだぜ?」
「そ、それじゃあ無理ね…」
二人が話しているうちに、彼女の話しの内容は終盤をむかえ
「――と言うわけです。ご理解いただけましたか?」
「はい、まったく聞いていませんでした」
「そうですか、ありがと…って、ちゃんと聞いててもらわないと私がマスター愛用の枕か分からないじゃないですか!」
「ごめんごめん、まぁなんだ…とりあえず君を信じてみるよ」
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