第弐章~超英雄~

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その男はたった一本の武器を手にしていた。 いや、当然といえば当然、今更言う必要もないのだが、この男を見ていると、武器など必要ないのではないのか? と感じる。 だが、実際モンスターに対して武器を用いるのは卑怯ではない。 武器を持つことで、ようやく対等になることができる。 モンスターと人間。 モンスター、まして堅い鱗を持つ龍など、生半可な武器では刃すらとおらない。 人間の皮膚はいくら鍛えようとも、限りがある。 だが、この男、有り得ない話ではあるが、武器なくともモンスターを狩れる……そんな、雰囲気があるのだ。 もちろん、不可能なのだが。 森と丘の天候は今日も晴れ晴れとしている。 狩りには絶好の日であるといえるだろう。 煌めく太陽が僅かに眩しく、頬をてらす。 深緑なる森の木々の合間からは、光がほどよく差し込む。 だが、こんな日こそ、モンスターも活性化する。 男はアプケトノスが群がるエリアへと足を運ぶ。 この男の覇気にモンスターは逃げてしまうのでは? とも感じるが、驚いたことに、男の存在に対して、まったく敵意をしめさないのだ。 だが、さらに驚くべきことは、これからである。
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