第壱章~たった一人の超上決戦~

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熱気溢れる決戦場。 怒涛に災厄の如く、狩人に迫る紅龍。その表情、まさに悪魔の如し。 火山の噴火でさえ、可愛く見える程の威圧感。 天変地異に匹敵すると言っても過言ではなきそのチカラ。 歴史上、数回現れし紅龍。 だが、その中でもこの紅龍は、間違いなく最高クラス。 さらにその悪魔は狩人へと迫る。 だが、狩人は地面を凄まじいパワーで蹴り、独龍の刃を、紅龍の顔に向かいきりつけた……! 当然、考えられない。 有り得ない。 だが、現実の出来事として、そのあと、紅龍の口が開き、狩人を飲み込もうとした瞬間―――――――! パキィィィンッッ……! まるで、何かを真一門に切り裂くかのような乾いた音。 熱き大気を伝わり、次なる瞬間、紅き角が……熱を帯びる大地へと落ちた……。 まがまがしき、悪魔の角が。 当然、紅龍はそのまま落下……溶岩の中へ頭から突っ込んでゆく。 そして、狩人は静かに地へと足を下ろす。 ……あの、一瞬で? 神業どころではない。 人間に、出来るのか? いや、生ある者が、可能なのか? カウンターで、角をたったの一撃で、しかもあれほどハッキリした音で……。 かの蕾碧勇士ライヴィスやレラン、数多くの英雄でさえ、それはかなわなかった。 ……これほどの狩人が、なぜ今まで姿を……? だが、溶岩の中から再び紅龍は現れる。 逆鱗に触れた…体が紅く点灯するかのようにまがまがしく光る。 口からは黒き息……。完全に怒りに奮えている。 もはや、隙はない。 だが、冷静に狩人は、武器を構え直す。 今、気付いたが……どうやらこの狩人、武器を幾つか持って来ている。 そして、更なる決戦が始まる……。 絶望か、希望か。
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