第壱章~たった一人の超上決戦~

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「裏世界の英雄:……英雄達は黒龍、そして俺は、紅龍、か。」 呟く狩人。クーラードリンクを飲んでいなければ、唇も直ぐ様渇いてしまう。 災厄の紅龍により、いつもに増して火山活動は活発になる。 遥か上空、空に流るる赤き流星。 美しき夜空の流星とはまさに反するもの。 雲は紅く、大気は熱く。 目前の邪龍は圧巻を与える。 「裏世界の英雄:……。」 奴が………唐突にはいずりを始める……! 狩人は素早く反応、かわしながら足の関節部分に刃をいれるが、堅い……。 弾かれこそしなかったが、一流程度の狩人では、弾かれていただろう。 刃をとおし、龍属性ダメージを与える。それだけでも、剣聖的な力や、業物の武器を使わなければ不可能。 紅龍はさらにそこから素早くターン。一時も目を離してはならない。 並の黒龍や紅龍ならばさほど問題ないかもしれない。 だが、この紅龍は、歴史上最強…。 当然、現在レラン達が戦っている黒龍を遥かに上回る。 そこから……紅龍の雄叫び……!雄叫びをしながらの前進…これは……! 「裏世界の英雄:……!」 遥か上空からふり注ぐ……流星のような巨大な火炎の玉……! 大気を燃やしながら、限りなく狩人に近い位置に落ちてくる。 普通ならばランダムだが、やはりこの紅龍は一味違うのだろうか。 その火炎流星は、大地に触れるや否や、爆発的な爆炎を引き起こす。 大地に穴があき、大量の岩石も粉微塵、破片や土があたりに飛び交う。 だが、狩人は全てを見切り、かわしながらさらにピンチをチャンスと考え、比較的軟らかい胸を狙い切り裂く。 二回に渡る、巨大な龍属性音。扱う物によって、当然威力はかわる。 だが、胸は破壊されない。 そして、紅龍は狩人だけを見ている。 その逆もしかり。 誰も知らない、知られることのない戦い。 だが、負ける訳には……いかない…!
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