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「裏世界の英雄:……。」
再び紅龍とむかあう。
並のハンターならば、見ただけで足がすくんでしまうだろう。
だが、新進気鋭なハンターならば、はじめて見る興奮や新鮮さもあるのかもしれない。
辺りは火山活動がさらに活発になる……。
紅龍に反応しているのだれう。
紅龍は再びターン……いや、フェイント、そのままはいずるように狩人のほうへと一直線に向かう。
凄まじい速さ……ガードしても、スキル〝ガード強化〟などがなければかなりのダメージを受けてしまう。
だが、驚くべきは紅龍ではなく……。
「裏世界の英雄:好機。」
狩人だった。この普通ならピンチを、好機、と言いはなったのだ。
百戦錬磨のハンター達とて、このはいずり中は攻撃が限られてしまうというのに。
そして、狩人にせまりくる、紅龍……まさに怒涛。
巨大な身体、そして恐怖としかいいようのない牙、顔。
もうかわす暇は―――――!
狩人が―――――――真っ向から跳んだ!?
そして、下がっている紅龍の牙をかわしながら――――――!
グチャッッ……………パキィィィンッッ!!
二つの音………。生々しい音にくわえ、渇いた音。
なんだというのだ?
だが、狩人は静かに熱おびる大地へと降り立つ。
……紅龍の………魔眼がっ…!?
潰れている……刃による傷跡。
さらには角が更に折られて……!
馬鹿な、有り得ない。
大剣でフルパワーで叩き付けても、そう簡単にはあの紅角は折れない。
ましてや、あの魔眼は、頑丈という次元ではない。
歴史上でも、魔眼を破壊したものは限られている。
ましてや一人。
しかもこの紅龍の……!?
<グギヤヤヤヤァァァァッッ!?!>
悲鳴、叫び。当たり前だ、あの一瞬……この足場のわるい場所で、しかも相手は凄まじい速さ、しかも首から上の顔や頭はかなり振動する。
なのに、牙をかわしながら、渾身の一撃を、二回も放ったのだ。
信じがたいが……。
だが、逆鱗を超えた逆鱗にふれ、かつてないチカラを、紅龍は放つ。
絶望を、放つ。
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