第壱章~たった一人の超上決戦~

7/9
前へ
/15ページ
次へ
紅龍の顔を見るも無惨な姿に変えた狩人。 だが、その行為は逆鱗を超えた逆鱗に触れてしまった……! それは、紅龍の未だかつてない攻撃へと誘う。 知っているはずの、紅龍が、不思議と違う、また違った恐怖へと変化する。 紅龍が―――――バック・ブレス。 全てを焼き付くす豪火は再び地をえぐり、あたりに破片を散らばす。 かなり余裕を持ってかわさないと、余波をくらい、重傷を負う。 そのまま紅龍は天高くへと舞い上がり……火炎を吐く。 一直線に狩人を狙う大気を焼き付くしながら放たれる豪火炎。 「裏世界の英雄:……!」 初めて僅かに狩人の表情に曇りが見れる。 火炎を吐きながら……大量の、先程とは比較にならない、まるで世界終焉でも誘うかのような大量の火炎流星……! しかも大きさもでかい…! 火炎流星はランダム、しかし紅龍の火炎は狙いを付けてくる。 あの長き首は、狙いもつけやすい。 それに、こちらには手のだしようがまったくない。 火炎流星が――――――――――!! 次々に大地を砕き、辺りの岩石区域すらも破壊、地形は間違いなく変動。 溶岩でさえも弾けて、危険度はさらに増す。 狩人は見切りながらかわすが、相当な集中力に加え、一瞬の判断の的確、鋭さが半端ではない。 もし、判断をにぶらせたならば、待つのは、死、のみ。 次々にとめどなく、容赦なく降り注ぐ火炎流星…。 明らかに風向きはよくない。 遥か遠方の街では、何も変わらぬ日常……。 晴ればれとした空に、飛ぶ鳥達。 街中では人々の交流、歌う声、ギルドでは騒がしき人々、狩りに向かう者がいる。 なぜ、そんな生活が、環境があるのか。 紛れもない……今、この場にて戦う、この狩人のおかげ……。 この狩人が敗北する時、それは、世界の終焉を、意味する―――――――――。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

222人が本棚に入れています
本棚に追加