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天高くへと舞い上がる紅龍。
その姿は最初とは段違いにダメージを受けているが、恐ろしさには、凶暴さには一片の変化すら見受けられない。
最終攻撃……。
狩人が盾を捨てた、その決意ともいえるべき覚悟、それに反応する紅龍。
災厄とて、卑怯ではない。
「裏世界の英雄:……。」
一週間の疲労や痛みを超えた痛みにより、もう体の感覚は殆ど無い。
しかし、拳にだけは、力を収束。
ボロボロになった防具の無駄な部分は捨てる。
「裏世界の英雄……来い……!」
口から空気を伝わり、その音声は、聞こえるはずがない紅龍の意識を刺激。
紅龍の最後の雄叫び。
……大量の火炎流星・メテオ。
一週間、毎日……といっても時間の感覚はないが、メテオにより、もう辺りの大地は砕け、原型すら留めていない。
そのメテオ……狩人は見極め……!?
同時に紅龍が――――――――天空!?
超上空から一直線に、流星の如く狩人に襲いかかるその一撃。
くらえばどんなに修練や鍛錬を積んだ者でも即死。
ましてやメテオと同時。
かわすのは絶対に不可能。
「裏世界の英雄:……このごに及んで、かわす気など……はなからありはしない!」
狩人が全身全霊、最後の力を振り絞り、跳躍。
紅龍の速さは尋常ではない。
止まっていても、攻撃をあてるのは絶対に不可能。
たとえ、伝説級のハンターでも。
紅龍が………狩人に!
グアァァァァッッッ!!!
紅龍のまがまがしき牙が、狩人を喰い―――――!
「裏世界の英雄:……〝八創武〟を……舐めるな!!」
狩人の目が見開いた。
瞳に宿る、確かな意識。そして意志。
独龍剣・蒼鬼が、紅龍の頭を……脳天から貫いた……。
本来、叫べるはずがない。
しかし、散り様に、
口をあけ、狩人を地へとおとし、
ギャアアァァァァッッッンッッ!!!
最後の断末魔。
紅龍は、その強大さを……最後の最後まで残しながら……死んでいった。
狩人は立ち上がり……独龍の刃を引き抜くとともに、倒れそうになる。
だが、火山のマグマが近くまで……。
数分後には、マグマが、火山・決戦場を飲み込んでいた…………。
誰に知らない、誰にも知られることなき戦い。
だが、この狩人のおかげで、平和は保たれた。
裏世界の英雄の行方は、誰も知らない。
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