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「イチゴクリーム1つください。」 イチゴクリームだよな、と軽く目配せをしてお店の人に頼む彼。 私は小さく頷いてクレープの焼ける香りを吸い込んだ。 「お待たせ致しました。」 「あ、ありがとうございます。」 店員さんにもちゃんとお礼を言う何気ない優しさが好きだな、と思いながら彼を眺める。 「はい、」 「ありがと。」 手渡されたクレープを一口かじり、彼にも差し出す。 「甘い。」 「クリームだもの。」 「そりゃそっか。」 くすくすと笑いながら手を繋いで歩く。 「どこに行こうか?」 「んー、どこでもいいよ。」 君となら、私はどこだっていいよ。 「じゃ、ぶらつきますか。」 にかっと笑う彼にうんと頷き返した。 .
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