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「現(うつつ)くん、好きです」
そう、告白されるなんて。
一回状況を整理してみよう。
一体僕の過去に何があったのか遡る。
といっても、全く持って僕は彼女と接点を持っていなかった。
つまり遡れる過去がない。
非常にエマージェンシーである。
……どうやら頭も壊れてきたようだ。
そんなこんなでこの壊れた頭から、彼女についての情報が僕の前にこぼれ落ちた。
志場ヶ咲 星(しばがさき あかり)
字を見れば分かるとおり、学校きっての大スターとも呼べるそれはそれは僕と程遠い人。
成績優秀、容姿端麗、才色兼備、お決まり慣れたこのような言葉でも言い表せない、そんなお人。
うん、少しは何とかなりそうな気がしてきた。
「あかりさん」
「何ですか、うつつ君?」
何とも言えない空気が流れ込む。
「僕のことが好きなら、僕のいうことに1つくらい従ってくれますよね?」
「もちろん、うつつ君が望むなら」
「じゃあ今から僕がする質問に全部、多いかもしれないけど、答えてくださいね」
はい、と彼女は頷くとニコニコと笑顔で僕の次の言葉を待ち始める。
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