First Chapter

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地味でこじんまりした事務所の古びたドアノブをゆっくりと回す うちの事務所は少数実力派で成り立っている 人材重視の会社 その中で俺は、1年先輩の日陽くんと同期の森と仕事をする機会が多い 「つかの間のオフ終了」 「お疲れ様」 出社早々、愚痴をこぼす俺に日陽くんが苦笑いで出迎えてくれた 午前零時に出社ってのもどうかと思うけど 「机、乗ってるよ」 その一言で自分の机に目を向ければ、新しい仕事に関する書類が積まれていた その正面に森がコンビニ弁当と共に陣取っている 「憂~、今回の面白そうだよっ 俺がサポートだって」 「なんで俺の見てんだよ 自分のあるだろ」 「堅いこと言わないの。ね?」 何が、ね?だ 「日陽くんも?」 「んー、正式には入ってないけど何かあったら呼んで?飛び入りで行くから」 そう言ってコーヒーを片手にパソコンを立ち上げる姿はなかなか様になっている 「カフェの開店式か」 「駅前って凄いよね あそこ物件高いのに… いつ依頼先行く?」 さすが、フットワークの軽い奴 仕事の取りかかりは誰よりも早い 俺が見習わないといけないところだったりする
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