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地味でこじんまりした事務所の古びたドアノブをゆっくりと回す
うちの事務所は少数実力派で成り立っている
人材重視の会社
その中で俺は、1年先輩の日陽くんと同期の森と仕事をする機会が多い
「つかの間のオフ終了」
「お疲れ様」
出社早々、愚痴をこぼす俺に日陽くんが苦笑いで出迎えてくれた
午前零時に出社ってのもどうかと思うけど
「机、乗ってるよ」
その一言で自分の机に目を向ければ、新しい仕事に関する書類が積まれていた
その正面に森がコンビニ弁当と共に陣取っている
「憂~、今回の面白そうだよっ
俺がサポートだって」
「なんで俺の見てんだよ
自分のあるだろ」
「堅いこと言わないの。ね?」
何が、ね?だ
「日陽くんも?」
「んー、正式には入ってないけど何かあったら呼んで?飛び入りで行くから」
そう言ってコーヒーを片手にパソコンを立ち上げる姿はなかなか様になっている
「カフェの開店式か」
「駅前って凄いよね
あそこ物件高いのに…
いつ依頼先行く?」
さすが、フットワークの軽い奴
仕事の取りかかりは誰よりも早い
俺が見習わないといけないところだったりする
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