First Chapter

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「ただいま」 そのままベットにダイブ あ、洗濯物 起きてからでいっか 思考回路は絶たれ、俺はいとも簡単に意識を飛ばした ーーピロロン 「…んあ?」 間抜けな着信音で目が覚めた この着信音… 森のやつまた勝手に変えやがったな 「…なに」 『うわ、ちょー機嫌わるい!! 日陽、どーしよっ』 携帯の向こうで森の騒ぐ声が聞こえた 『もしもし?日陽だけど』 「…用件は?」 『相変わらず、寝起き最悪だな 森、びびってんぞ?』 「そりゃどーも。で、」 『あーはいはい、用件な? 憂、今日休みになったから』 「今日って、いつからいつまで?」 現在、PM2:23 『もちろん、午前零時までですよ?売れっ子演出家さん』 「…あと9時間半」 『俺だって今聞かされたんだよ。ご愁傷様』 諦めムード全開の日陽くんが悪いわけじゃないけど、なんかもっとこう…上手くいかないもんなの? 時間に縛られない職業はこれだから困る 『憂?』 「……あ、うん」 『よかったじゃん お前、最近働きすぎだったしさ、ちょっと休んだ方がいいよ』 「そうかな?」 『お前は人のことには煩いくせに、自分のことには疎いんだよな』 「…」 『じゃ、しっかり休めよ』 「…わざわざありがと」 日陽くんは自分から電話を切らない人だから、一拍おいて俺から切った ああやってたまに忠告してくれる優しい先輩にいつも心の中で感謝してる 帰ってきてからそのままだった服を脱いで洗濯物を回す ついでに風呂掃除 次はいつ休みかわからないから家事は今のうちに片づけとこう
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