First Chapter

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「わかってるよ ただ最近食ってないからさー」 「俺は彼女か」 だっておいしいもんね? と日陽くんと森が互いに顔を見合わす まあ、 そう言ってもらえんのは 嬉しいけど 「じゃあさ、当日の夜にお疲れパーティーしようよ!?」 名案と言わんばかりに はじける笑顔が輝く 「おーいいね 憂、作ってね」 「作ってね!! 俺達は場所と酒、提供するからっ」 笑顔が迫ってくる 若干、怖い 「…わかったから」 俺の返事を聞いて 2人でいえーいと ハイタッチしてる ったく、こいつらは… 「当日まで頑張るぞー」 森のデカいかけ声は 夜の街に吸い込まれていった 一夜明け また1日が始まる 今日は夕方から 当日のリハーサル 「そっか、もう明後日か」 時間になるまで 息抜きがてら 近所でも散歩してみるかな たまには 外は4月にふさわしい 春の陽気に溢れていた 「昨日は鬱陶しかったのに…」 まったく、自分の都合で…と少し申し訳なくなる 裏路地に入れば 見慣れた景色が消えた 「あれ、こんなところにカフェあったんだ…」 気がつけば 店の扉を引いていた
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