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カタリ、と
マスターの置いた
カフェラテの音で我に返った
「はい、どうぞ
彼、珈琲飲んで寝ちゃったんだよ」
「睡眠薬でも入れた?」
「…そんな物騒なものウチには有りません
裏に戻るけど、用事あったら呼んでくれて構わないから」
「お客来たらどうすんの」
「平日の昼間なんて誰も来ないよ」
マスターはヒラヒラと手を振って奥に行ってしまった
現に、お客いるんだけど…
軽くため息をつきながら
再び彼の寝顔を盗み見る
やっぱり、綺麗
初めて人を綺麗なんて思った
余りにも自分とは
違いすぎて
視線を逸らすことが
出来なかった
「あ、砂糖ない…」
マスターを呼ぼうかと思ったけど、彼が起きてしまうような気がして思い止まる
「しょうがない…」
自分で取るか…
反対側に行って、いつもマスターが砂糖を取り出す棚に手を伸ばすが、お目当ての瓶にはあと少しの所で届かない
「も、ちょっと…」
マスター、僕が好きな砂糖は知ってる筈なんだけどな
何度手を伸ばしても
あとちょっとの距離は縮まらない
「……これ?」
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