Chapter Ⅱ

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後ろから聞こえた声と同時に スラリとしたあの長い指が 僕の視界の端に映ったのは、 一瞬の出来事だった 「この瓶でよかった…?」 そう言って 僕に瓶を手渡す彼 もう、びっくりしすぎて 声も出ない 1つ分かった事は 彼の顔立ちが寝顔で想像していたものより遥かに整っていたということ 「違った?」 覗き込むようにして見てきた 彼の視線から 逃げるように俯く 「……こ、れです… ありがと、ございます…」 語尾がどんどん小さなっていく やっぱり、人と喋るのは苦手 緊張と警戒が混ざり合って 心臓の鼓動が 体中に響くような感覚 「よかった… あ、突っ立ったままじゃ 邪魔ですよね 席まで押しましょうか? 車椅子」 .
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