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「そ、なこと…ない
似合って、ます」
今、思ったことを
たどたどしくも伝えると
彼は驚いた顔
「そんなこと初めて言われた」
ありがとう、
と今度は笑顔
笑った顔も
ものすごく綺麗だった
それから
仕事の話をしてくれた
彼と一緒に働いている人達の話も
仕事の話しをする彼の表情から仕事で得られるやりがいの大きさがうかがえて、こっちまで嬉しくなる
「充実してる、んですね
的伎さ、が羨まし…いです」
「憂って呼んでよ
名字とか他人行儀な感じするし」
う、憂…。
いやいや、呼べるわけない
そんな勇気ない
さっきまで
自分とは全く違う
いわば、高嶺の花だった人を
呼び捨てなんて…
「……れーくん」
考えに考えた結果
出てきた呼び名
「……その呼び方初めて」
初めて、いっぱいだな
とまた笑う
「じゃあ俺も違った呼び方する
普段、なんて呼ばれてる?」
普段といっても
関わる人は仕事の人かマスターくらい
少し悲しいのは気のせい
「時方さん、
ここの…マスターから、はトキ…とか」
れーくんは
うーん、と唸った後
僕に視線を送って
「とも」と小さく呟いた
僕がそれに頷くと
またとも、と呼んだ
なんだか、照れる
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