4人が本棚に入れています
本棚に追加
「……どちらさんですか!?」
夕夏は玄関先に帰宅した父を見るなり、声を上げた。
バチリと襟を立て、胸元をはだけたシャツ。何年前の流行りか分からない、べっこう色のフレームのサングラス。
そして両手の指には、いかつい指輪・指輪・指輪………更に、あの八の字眉毛はどこかへ消え失せている。
変わり果てた並平の姿がそこにあった。
「……父さん、なにその悲劇的なカッコ」
「おぅ、コレか?……フッ火傷するゼ?」
なにそのしゃべり方?
なに言ってんの?
意味わかんねーよ。
血迷ったの?
夕夏はいつもの様にまくし立てようとしたが、あまりの出来事に声が出ない。
最初のコメントを投稿しよう!