ゲキワルオヤジ

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「……どちらさんですか!?」 夕夏は玄関先に帰宅した父を見るなり、声を上げた。 バチリと襟を立て、胸元をはだけたシャツ。何年前の流行りか分からない、べっこう色のフレームのサングラス。 そして両手の指には、いかつい指輪・指輪・指輪………更に、あの八の字眉毛はどこかへ消え失せている。 変わり果てた並平の姿がそこにあった。 「……父さん、なにその悲劇的なカッコ」 「おぅ、コレか?……フッ火傷するゼ?」 なにそのしゃべり方? なに言ってんの? 意味わかんねーよ。 血迷ったの? 夕夏はいつもの様にまくし立てようとしたが、あまりの出来事に声が出ない。  
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