序章:月獣計画

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ある日の夕方、映像機に研究所が映し出される。 「我々人間は、獣達を強化すべく『月獣計画』を実行に移しました。この感動をお伝えするために生放送で行っていただいております。」 「月獣計画とは、元々の生き物が持っている生命力を引き出し、強化します。破壊され汚染された自然でも繁栄できるように遺伝子操作したのです。」 「身体能力は、もちろんのこと、知性、体躯までもが大幅に向上しました!」 この人はここの長なのであろう。興奮し顔は赤らんでいた。 「では実際に、強化獣をごらんにいれましょう。」 カメラが檻に向けられる。 ウガル…。ガウウ…。 そこには、3匹づつ檻に入れられた獣達。 長い毛並を持った狼。真っ白で雪のような毛皮の虎。精悍な目つきの鷹。
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