僕の小さなロウソク

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その心療内科の川上という医者に言われるがまま、想像した。 そのあと、ロウソクと同じように、あなたのストレスもなくなります、みたいなことを言いはじめた。 そんな簡単なことじゃない、そう思った。 だが、その医者の言うことは僕の足りない頭でも分かりやすい例えだった。 それからは、仕事での対人関係や、ノルマ、プレッシャーなどを、医者に明かした。 少し言葉が詰まったが、なんとか繋げられた。 「少し強い安定剤を出しておきますね。次回は、いつになさいますか?5日後の金曜はどうでしょう?」 一応、仕事は2週間は休むように、と、会社の事務員から連絡があったのを思い出し、 「はい、大丈夫です。」 とこたえた。 「ありがとうございました。」 その診察室を出て、待合室まで行くと、連絡していた母が、迎えに来てくれていた。
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