白と、灰色のまち

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白と、灰色のまち

「たまには、ドライブでも行ってきたら?」 母がポツリと口にした。 「ドライブ?なんでまた?」 僕がそう言うと、 「気晴らしになるがね。お父さんなんか、イライラしたら、すぐ一人で車、走らせよったよ。」 僕が小学生のときに、何かの病気で亡くなった父のことを、母は話した。 「そうやね・・・夏尾でも行って、ばあちゃんに会いにいくかな。」 僕が中学生のときに、ガンで亡くなった母方の祖母のことを、僕は思い出した。その祖母の墓が、ここから車で1時間ほどの、夏尾町にあるのだ。 病院の会計を済ませ、母の車に乗った。
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