僕の小さなロウソク

2/14
前へ
/32ページ
次へ
「いいですか、一本の火の点いたロウソクを想像してください。」 その医者は言って、続けた。 「少しずつですが、短くなりますよね、ロウソク。あなたの心の痛みも、ロウソクと同じように、いつかは消えてしまうものです。時間が解決してくれますよ。」 僕はこの街で一番大きく、一番評判の良い、そして一番待ち時間の長い総合病院に来ていた。 診察の予約をしていたけれど、2時間は待った。 待っている間、受付の横に置いてあった様々な病気に関するパンフレットを読み尽くした。中には3回読んだものもあった。たしか、偏頭痛に関するパンフレットだ。どうやら僕は偏頭痛持ちかもしれない。そんなことを考えていた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加